あんまり大きな声では言えないけど、Spotifyをあーだこーだやって使ってみました。Spotifyはデベロッパー向けに様々なAPIを公開しており、今作っている音楽サービスに組み込みたいと思ったからです。
このように外部サイトでSpotifyプレイヤーを設置したり、Wep APIを利用できます。
以下はざっくり利用してみての感想です。
やばい、これ。楽しすぎる。初めてウォークマンを買った時のワクワクに似ている。無駄に音楽を聴いてしまう、あのドキドキに似ている。これはやばい。たぶんもうCDは買わないし、DLもしないかもしれない。いや、どうだろう。もしかしたら逆に素晴らしい作品であればフィジカルで欲しいと思うかもしれない。
最初に登録すると最初の48時間モバイル版をプレミアム会員と同じように使用出来るのですが、それがもうやばい。いつでもどこでも好きなもの聴ける。容量を気にせず存分に音楽を楽しむことができる。iPod classicなんていらなかったんや・・・! iPhoneになんか入りきらないし、リッピングも面倒だったのが一気に解決。好きなものを、好きな時に好きなだけ聴ける。音楽好きにとってはとても嬉しい。もうひとつ嬉しいのは、どどどどインディーの楽曲も揃っていること。日本のiTunesで配信していない楽曲も聴くことができる。新しい音楽に出会う場としてはかなり素晴らしい。
今はプレミアム試用期間が終わってしまい、モバイル版ではジャンルや年代に分かれたラジオプレイしか聴けない。まぁでもラジオも結構楽しい。似ているアーティストや似た楽曲をラジオプレイできる。まぁただラジオプレイであれば他のサービスで代用できるし、わざわざ日本から面倒なことをしなくても利用できるサービスは多い。
はじめに甘い蜜を吸わせてくるの恐い。これはすぐに有料会員になってしまいそう。有料会員はオフラインモードや、広告なし、利用時間に制限なし、モバイルでも自由自在。有料会員なるわ。すぐにお金払いますよ。アプリの使い勝手も良い。
で、有料会員っていくらかって話。やばい、これはやばい。9.99ドルプランと4.99ドルプラン。払っちゃう、これは払っちゃう。思いっきり9.99ドル払っちゃう。1000円いかないくらい。安い。安すぎる。SonyのMusic Unlimitedやレコチョクが可哀想。っていうかアーティストは大丈夫なのか、ダメだろこれ…。
で、これ、洋楽に限って言うと、日本勢勝てない。絶対無理だろう。
日本に上陸するなんて話が出てきたのが2012年に入ってから。先行登録を受け付けているが、それから続報はない。仮に日本上陸が実現しても、値段は最低でも1480円になるだろう、ここを各社最低ラインにするのではないだろうか。SonyのMusic Unlimitedは有料プランのみで月1480円、レコチョクも同じ。ちなみMusic Unlimitedとレコチョクはモバイルのみ。おい・・・・おい。
2013.4 追記
この記事を書いた時点では月額1,480円。2013年4月時点では月額980円となっている。恐らくSpotifyも日本上陸の際はこの値段帯になるだろう。2013年内にサービス開始との噂がある。
Spotifyがこのまま上陸したら、あっという間にレコチョク先生は駆逐されてしまう。Spotifyは無料でも十二分に楽しめるのだ。デスクトップ版は、広告も大して気にならない。ちょいちょい入る広告が久しぶりにラジオ聴いている感覚で、なんだか懐かしい。しかも動きはそこそこ軽快だ。iTunes、なにそれ、みたいな。ユーザーインターフェースの出来はそんなに良くはないが。
2013.4 追記
日本勢のストリーミングサービスは全て有料となっているが、Spotifyが無料プランを日本でも実施できるのかは結構大きなポイントだと思われる。また邦楽の充実も急務だろう。
もうね、上陸したらいけないのではないかと思うレベル。
そうそう、忘れてはいけないのが、豊富なアプリ。
Spotifyというプラットフォームを存分楽しめるアプリがたくさんある。Facebookのようにサードパーティ製のアプリがたくさんある。モバイルで利用できないのが残念だし、その点はダメだと思う。
歌詞を表示するものから、よりソーシャルに音楽体験を拡張するもの、ビルボードのチャートや、音楽誌やフェスティバルのプレイリストまで。もうとんでもねぇ。
参考リンク
GNTグループ会社・ICJ、欧米の音楽配信でSpotifyと提携
欧米で急成長する音楽サービス「Spotify」、アプリ戦略に乗り出す
Spotify「音楽アプリ」が連れてくる、デジタル時代の新たな音楽体験
結論:Spotify、やばい楽しい
2013.4 追記
Spotifyに限らず、音楽サービス最大の課題は既存の音楽好きの目にしか魅力的に映らないことである。果たしてライト層に「新しい音楽に出会いたい」という欲求があるのだろうか。この点は上でも書いたが、無料版が一つのカギとなるだろう。通信キャリアとの提携もサービス普及させる有効な手段だと考えられるが、docomoはdミュージックで、KDDIはKKBOXで、SoftBankはUULAと、すでに独自に開始している。またスマートフォンアプリの出来がイマイチなのが引っかかる。スマートフォンの所有率が高い若年層にアプローチするにはまだまだ貧弱な出来栄えだろう。
レコチョクも日本人向けのコンセプトでストリーミングサービスを開始、KDDIが自社サービスを台湾発のKKBOXとしてリニューアルなど、日本勢でも競争は激化しているが、どうやったら使ってくれるかという議論がされていないように思う。新しい音楽と出会うことは魅力的なのだろうか、インタレストグラフを欲しているのだろうか、音楽コミュニケーションに時間を割きたいのだろうか。もっと根本的な部分から考えていって欲しい。何故ならば、ストリーミングサービスはキャズムを越えなければならないサービスだからだ。
サービスそのものはとても素晴らしい。Spotifyを知ってしまったら日本勢のストリーミングなど使う気にならない。
それに関してエントリを書いたので、こちらも是非ご覧いただきたい。
そもそも音楽に関心をもってもらうことが重要という話
Spotifyについて語ろう 黒船の現状まとめ
Spotify、国内でサービス開始?その前に雑感を
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