Spotify for Artists Screens

Image : Spotify for Artists

1億4000万人が利用している音楽ストリーミングサービスSpotifyがアーティスト向けの新しいiOSアプリSpotify for Artistsをリリース。日本のAppStoreでも配信を開始した。

Introducing: The Spotify for Artists iOS App – Spotify for Artists

Spotify for Artistではプロフィール情報(Biography、Artist’s Pick、Artist Playlists)の更新に加え、リリースから一週間リアルタイムに更新される再生数、どのように聴かれているか(プレイリストからなのか、保存しているか等)、ファンが聴いている他のアーティスト、オーディエンスのデモグラフィック(性別・年齢・ロケーション)といったデータが閲覧できる。

これらの機能は元々ウェブで提供されていたが、今回のアプリリリースによって、更新と閲覧がより簡単になった。

An Overview of Spotify for Artists – Spotify for Artists
Fan Insights is Now ‘Spotify for Artists’ and Available to All Artists – Spotify for Artists

例えば、これからツアーをしようというとき、どこでどれくらいのキャパでライブを行うのか考える必要がある。その役に役立つのが、このようなデータだ。例えば、クリエイティブマンプロダクションの清水社長はORICON NEWSでのインタビューで次のように述べていた。

例えば、今年の『サマーソニック』に決まったフー・ファイターズのマネジメントは、Spotifyなどから世界でのアーティストのデータを集約してツアー戦略に活用しています。ノラ・ジョーンズの場合、マネジメント側がデータから日本を大きなビジネス市場だと見ているので、日本でのツアー規模やプロモ企画を逆提案されることもあるようです。

出典:ORICON NEWS

このような流れは確実に日本でも加速する。そもそもSpotifyのユーザー数がまだまだ少ない日本では意味がない? いやいや、日本からでもAmPm(アムパム)のようにインディペンデントで世界に進出したアーティストも出てきている。すでに日本は、ストリーミングサービスによって世界と接続されてしまっているのだ。

実際にGitHubにはSpotifyのプログラマーたちがたくさんいるので、そこでもソースコードをかなり見て、どこの数字をバイラルに反映させてるのかという部分の仮説をたてました。その仮説に対して広告を出すなど、手を打ちましたね。結果としては狙い通り、動きました。運も良かったと思いますが。ですので、アーティストとしてストリーミングで心がけてるところとしては、解析できるものは解析するということです。

出典:ギズモード

AmPmは自分たちで解析し道を切り開いているが、必ずしもアーティスト自身がデータに強くなる必要はない。メジャーもインディーでも、データに理解のある人材を含むチームを作ることができれば、音楽活動を結実させることができるだろう。

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Spotifyで音楽を配信しているアーティスト、マネジメントはまずはデータに慣れることが始めてみて欲しい。クリーンなUIで作られたiOS版Spotify for Artistsはそれにピッタリのアプリになっている。

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