2013年4月に4ADと契約して以来、着実にファンを拡大しているSOHN。やはり良さしかない。

新曲が公開されるたびに海外音楽ブログがこぞって取り上げたり、有名なアーティストがSoundCloudでSOHNによるリミックスをポストしたりと話題につきず、気になってしょうがない。以前Spincoasterで書いたこともあるのだが、改めてご紹介。

SOHNはロンドン出身、現在はウィーンを拠点としてるプロデューサー/シンガーソングライター。細かな芸が光るオリジナル曲のクオリティはもちろん、数々のリミックスやプロデュースワークは素晴らしく、2014年のインディーR&Bのアイコンとなったアーティスト。Come In Come Outでは過去に(フライングで)2013年の年間ベストトラックにも選んだこともある。2014年4月にデビューアルバム『Tremors』をリリースした。収録曲「Lessons」と「Bloodflows」はアルバムの中でも特に彼の持ち味が発揮された楽曲だ。クリアなボーカルはもちろん、ストーリーが頭の中に浮かび上がってくるようなトラックはやみつきになる。2014年6月<Hostess Club Weekender>で初来日を果たし、翌年の<TAICOCLUB’15>にも出演した。2016年9月に新曲「Signal」を発表、新作を準備中とのこと。

「Lessons」はビデオも素晴らしく、ダークで緊迫している

その曲調から単純に「ダーク」と表現してしまいがちだか、音の空間をたっぷりと使ったエネルギッシュなサウンドだ。「ダーク」について過去に彼はlight + musicでのインタビューで以下のように語っている。

L+M: 「ダーク」という言葉があなたの音楽を表現する時によく使われていますが、あなたの音楽の中にはいくつかの「光」があると思います。そのバランスをどのように操作しているのですか?

それは僕でなくリスナーがすることだよ。

出展:light + music

またiLOUDのインタビューで以下のように語っている。

あなたは、シンガー・ソングライターで、エレクトロニック・サウンドを手がけるプロデューサーでもありますが、現在の音楽スタイルにはどのようにしてたどり着いたのでしょう?

「主に環境に影響されて、かな。10代の頃はバンドに入っていたんだけど、それをきっかけにLogic(Macの音楽制作ソフト)を使って、レコーディング法を独学した。ただ、レコーディング技術を自分ひとりで身につけるのって、すごく難しいんだよね。例えばドラム・キットをどうやってレコーディングするのかとか、どのマイクを使えばいいのかとか。それで、次第にエレクトロニックスをいじり始めた。バンドをやめて、エレクトロニック・プロデューサーよりのことをやり始めたんだ。その次にピンときたことと言えば、アナログ・シンセサイザー(Roland Jupiter-8)を初めて手にとった時かな。そこからSOHNが始まったんだ」

出展:iLOUD

そう、シンセサイザーは彼の音楽を構成する重要な要素になっている。

「Bloodflows」

「Artifice」

数々のリミックスやプロデュースワークも素晴らしいと書いたのでそちらもご紹介。特に注目したいのは、BanksのデビューEP『London』に収録の「Waiting Game」。BBC Sound of 2014に選出され、SUMMER SONIC 2014にも出演したこのシンガーソングライターの存在感を確かにした楽曲だ。お互いのエッジがピッタリと重なっている。SOHNは彼女のデビューアルバム『Goddess』で2曲をプロデュースしている。

「Bloodflows」

また、ロンドン・キャンバーウェルのソウル・シンガーKwabsの楽曲プロデュースもナイスだ。彼のデビューアルバム『Love + War』では3曲のプロデュースを行っている。

『Wrong or Right EP』から「Last Stand」

この他、Lana Del Rayの「Ride」、Rhye「Open」のリミックスなども手がけているのだが、残念ながらSoundCloudのサービス変更で日本では聴くことができない…。ということ新曲「Signal」を。

Milla Jovovichが監督/主演の新曲「Signal」

よりシンプルで洗練された印象を受ける。引き算で表現された心情は力強く、今っぽい。思い出したのはBillboard JAPANでのインタビューだ。

それに現在ポピュラーなエレクトロニック・ミュージックは、とにかく色々な“音”を詰め込む傾向にありますしね。

ソン:本当にそうだよね。自分の強みを理解するために、引き算する必然性があったんだとも思う。これまでずっとメロディと詞を必要以上に重ねてばかりいて、自分が何が得意なのか、という根本的なところに辿り着いていなかった。でも引き算した時に自分の強みが理解できて、それを使うエキササイズとなったんだ。自身のミスや失敗に意識的になり、それを取り除くことで、違う人間になった、と言っても過言ではないね。

出展:Billboard JAPAN

ニューアルバムの情報などアップデートがあればまたこのページでお知らせします!


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