Rhye - Please

Rhye - Please

FUJI ROCK FESTIVAL’17(フジロックフェスティバル ’17)で来日するRhye(ライ)が久々の新曲“Please”をリリースした。アルバムは現在制作中だという。

よりR&Bテイストな印象をうける。そして相変わらず美しい。自然と身体が動いてしまう“Summer Days”も素敵な楽曲だ。Miloshは今作について次のように述べている。

前作アルバム『ウーマン』とは別のものを作りたかったんだ。もう少しサイケデリックな雰囲気を次の作品では出したかった。ソウルフルで素朴な色を出したかったんだ。生のパーカッションと生のピアノを使って人間が持つ親密さをこの作品で表してみたかった。「Please」はこれから僕たちが向っていく試金石になるものだよ。
Hostess Entertainment Unlimited

Rhyeはデンマーク出身のRobin Hannibalとカナダ出身のMike Miloshによるデュオ。HannibalはQuadron、Miloshはソロとして、別々の音楽キャリアを歩んでいた二人が出会い、2010年にロスアンゼルスで結成した。

彼らの魅力は、Miloshの女性のような(というかSade Aduのような)な美しいボーカル、Hannibalのダウンテンポでソフトで、そしてエレガントなプロデュースワークだ。楽曲はとにかく心地が良く、官能的な雰囲気を醸している。2013年にリリースされた彼らのデビューアルバム Woman は今でもよく聴く素晴らしい作品だ。

2013年7月号のHUGEでHannibalが「すべてがラブソングだし、女性に向けて歌っている。どれだけ女性が美して素晴らしいかを、僕らが称えている作品なんだよ」と語っていたが、確かに女性と聴きたくなるアルバムだと感じる。

QuadronのRobin Hannibal。Sa-Raあたりの影響色濃いコズミックなサウンドを聞かせたデンマーク時代のOwusu And Hannibal、より洗練されたエレクトリック・ソウルのBoom Clap Bachelors、卓越した女性シンガーであるCoco O.をシンガーに迎え、ブーム・クラップの洗練をクラシック・ソウルやブラジル音楽に結びつけたクァドロン、そしてポスト・チルウェイヴ的ともいえる、浮遊感たっぷりのシンセを軸にしたフューチャリスティックな志向をみせた自身のソロ・アルバム『Bobby』と、洒落た手つきでソウル・ミュージックにさまざまな角度から光を当ててきた人だ(Parallel Dance EnsembleやSzjerdeneといったプロデュース仕事も傑作ばかり)。そんなハンニバルが新たにタッグを組んだのが、MiloshことMike Milosh。クァドロンと同じPlug Reserch所属のトロント出身の男性シンガーだ。Miloshは女性のような美しいハイ・トーン・ヴォイスの持ち主で、自身の作品ではエレクトロニクスとストリングスとをかけ合わせた優雅な曲を歌っている。Rhyeによるデビュー・アルバムは、そんなふたりのちょうど中間にある音楽性だと言えるだろう。そして、その中間とは、Sadeや、最近ではJessie Wareがやってきたことだった。つまり、生音とエレクトロニクスの絶妙なバランスで成り立つ、極めてクールでエレガントなソウル・ミュージック。流麗なストリングスはクァドロンのそれとまた違って、たまらなく美しい。Miloshの少しこもった声質も、シャーデー・アデュを彷彿させて、とてもいい。
キープ・クール・フール

New York Timesのインタビューで「Rhyeの音楽が子作りのサウンドトラックになるとしたら?」と聞かれた彼らは、こんな風に答えている。

「ぼくとRobinがレコーディングしたものの結果として、みんなが一緒になって、美しい瞬間を分け合うとしたら、すごく良いことだね。誇りに思うよ」

「彼らの最初の子供にはRobinかMike、もしくはRhyeって名付けてほしいな」
monchicon!

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フジロック ’13でのアグレッシブなステージ

来日は2015年の単独以来、フジロックは2013年以来だ。

そのフジロック ’13でのステージ(金曜日のRED MARQUEE)を観ていたので、ここで振り返りたい。

音楽だけを楽しんでもらいたいという希望から、ミュージックビデオへの出演、プロモーション写真への顔出しを行わないという方針をもつ彼らは、アメリカやヨーロッパで行われたライブでは照明を暗く落とされ、ミステリアスな雰囲気をライブでも表現している。だがRED MARQUEEではそんなこともできず…どんなステージになるのだろうという不安をいだくも、そんな不安は一瞬で吹き飛ばされた。

1曲目の“Verse”、Miloshの第一声を聴いた時は鳥肌がたった。甘美なボーカルに一気に引き込まれる。もうこの時点でベストアクトを確信したが、予想外だったのは、バイオリン、チェロ、トロンボーンを含むバンドのパフォーマンス。肉体的で、パワフルなのだ。“Open”の動画があがっていたので見てほしい。

音源よりソウルフル。徐々にアグレッシブなパーカッションへ突入していく。約10分にも及ぶボリュームで、すごくエモーショナルな表情を見せていた。ラストに「3分余った」と言って披露した“Last Dance”もすごかった。これはゆったりと踊れるナンバー…と思いきや、トロンボーンを最高のアクセントに再びアグレッシブなパーカッション。アルバムの完成度をどう表現するのかと思ったら、違う次元を見せられた。

Samphaとの被りは痛いが…

今年のフジロック、Rhyeは7月28日(金)のFIELD OF HEAVENに20:20から出演する。

なんとSamphaと丸かぶり。The xxとも、Queens of the Stone Age、Gorillazとも被ってしまうという非常に厳しいタイムテーブル

昨年末に来日していたThe xxとSamphaを見ていれば、迷いは少ない? いやいや…でもヘブンでRhyeはすごいことになりそうだし…ああ。

Rhye
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