「日本には音楽が文化として定着していない」といった類のことをたまに聞く。それは送り手と受け手が明確に分断されている意味していると思うのだが、音楽コミュニティアプリ「nana」はその境界をなくしてくれるかもしれない。

2012年にリリースされた音楽コミュニティアプリ「nana」はスマートフォンをマイクにし、音声や楽曲し投稿し共有・コラボできるアプリ。録音した音声には、まるでInstagramのように好きなエフェクトをかけることができる。このアプリは2010年に起こったハイチ沖地震へのチャリティ・ソングとして企画された「We Are The World 25 For Haiti (YouTube Edition)」の映像にCEOの文原氏が感銘を受け、そこから音楽を通じた様々な共有体験をしたいと思ったことが、アイデアのキッカケになっている。

60万DL、投稿数は300万以上

株式会社 nana musicが11月26日に実施した事業構想発表会でサービスの現状が伝えられた。現在のダウンロード数は60万件以上で、楽曲投稿数は300万曲以上、毎日1万曲以上の楽曲が投稿されているという。ユーザー1人あたりの月間平均滞在時間は5時間、上位5%のコアユーザーでは64時間となっているという。ユーザー層は約70%が高校生以下と若く、同じく10代に人気のツイキャスのように確かな熱量が存在している。

また、国別分布では65%が日本からの利用となっているが、米国とタイがや6%、ベトナムとロシアが3%と海外でも利用され始めている。他国の投稿をどのように扱うのかは課題ではあるが(あまりに他言語の投稿が多いと萎えてしまいそう)、J-POP/J-ROCKが静かな盛り上がりを見せているインドネシアなども刺さりそうだ。

ユーザー参加型音楽番組をスタート

事業構想発表と合わせて、抹茶みらい、gun、ERI ROCK、shinbambi、うーさん、5名のnanaユーザーがライブを公開配信するユーザー参加型の音楽番組「nanaキャス」も実施された

「nanaキャス」は普段アプリ上でセッションを楽しんでいるユーザーがリアルの場に集い、カバー曲の演奏やオリジナルの楽曲を通し、特別なコラボレーションを発信する企画。番組配信中に届けられる視聴者のコメントや出演者の推薦、放送内容のリクエストを通じて、ユーザーと共に共創する音楽番組。リアルイベント「nana フェス」と合わせてコミュニティの熱量を強化するキッカケとなるだろう。2016年には「nanaフェス in 武道館」を開催することも発表となり期待が膨らむ。

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第0回と題された今回の配信は、約50分の番組となり、3000名近くが閲覧。ツイキャスではアーカイブが公開されており、今からでも下記リンクでチェックできる。その場で生演奏を聴きつつツイキャスも見ていたが、とても暖かい空気に包まれた良い配信になっている。
http://twitcasting.tv/nanamusicinc/movie/120146316

さて、気になるマネタイズ。同社は2015年から本腰をいれ、プレミアム会員、ギフト、タイアップ広告でマネタイズしていくという。まずはプレミアム会員とタイアップ広告からスタートし、2015年は年商3億を目指す。タイアップ広告は、例えばメジャーアーティストが公式に楽曲を提供し、ユーザーがコラボしていくコンテストを開催するなどを考えているという。

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nana
nana-music.com / App Store / Google Play / Blog / Facebook / Twitter

ユーザーの熱量が高いのは納得だし、それだけのことをしているからだと思うんだけど、今アプリを使用している10代が20〜30代になったときに継続的に利用するのだろうか? つまりこのアプリでちゃんと遊ぼうと思ったらそれなりの時間をかけて向き合わないといけないわけで、コアユーザーが徐々に時間を使えなくなるということは起きないのだろうか。出先で写真撮る感覚で皆歌ってたらめっちゃファニーで最高なんだけど、年を重ねるごとに使用する時間がなくなっていくのはと思いました。そういうのは新陳代謝がちゃんと起きるもんなんですかね? っていうか日曜ミュージシャンで良いのか。そうか。

ついで配信事業もやってくれたら良いなと思ったんですよ。UST生配信とか。ちゃんとやろうとしたら結構お金かかるんですね、あれ。なんでか知らんけど。例えば、iPhone6 plusを4台とPC1台を用意してさ。iPhoneにちょっと良いレンズつけてさ。PCからズームできるようにしてさ、カメラの切り替えもPCからできればさ。あとマイク。マイクで録音しながら音声を飛ばせば良いじゃん。ね。そう思いません?

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