SONIC MANIAのヘッドライナーに決定している、UK屈指のスタジアムバンドKasabian。収録時間をタイトルにしたニューアルバム『48:13』はスケールアップしたノリノリのKasabianらしさを存分に楽しめる1枚になっている。デビュー10周年の集大成と言っても良い内容なのだが、年間ベストに入るような出来では全くなく、むしろめちゃくちゃで酷い、しょうもない。それは先行シングルの「eez-eh」にも象徴されている。強引とも言える、単刀直入で中身のないお祭りテンションでリスナーを引っ張っていくダークなダンストラックだ。まぁそのブレないノリの良さがKasabianらしかったりする。そもそもKasabianの音源が良かったことがそんなにない。彼らはどうしたってライブバンドで身体性をもったときにこそ、その威力を発揮する。SONIC MANIA/SUMMER SONIC(大阪)を盛り上げてくれることは間違いない。
こちらは「eez-eh」のミュージックビデオ。手がけたのはデザイナー、Aitor Throup。彼はアルバムの強烈なカバーアートも手がけている。
RO69のインタビューでは以下のように答えている。
――― これはアーティストのアイター・スラウプが手がけたんですよね?
トム 「そう。アイターって……すごいんだよなあ。めっちゃ頭の切れるやつだし、たとえばこのアートワークにしても、眺めているうちに一種の視覚効果があって、いきなり『バーン!』って来るんだよな。もちろん、ただの真っピンクだってことはわかってるけどさ。うん、とにかくピンクで……。だからこそ、『ああ、もうどうでもいいや! 好きにやっちゃおうぜ!』みたいなノリがあって。逆にあれこれと考え込んで、バカげたタイトルを付けることだってできたわけじゃない? これまでにしたって、『ヴェロキラプター!』だの、『ルナティック・アサイラム』だのっていうタイトルを付けてきたわけでさ」
――― でも、今回は単刀直入ですよね。
トム 「そういうこと。だからさ、サージも言ってるけど、『ほらよ、これでどうだ! 参ったか』ってもんなんだ、今回は」
――― アイターは“イージー”のビデオも手がけていますが、こちらは、かなりユーモラスな仕上がりですよね。
トム 「ああいうビデオって実はこれまでやってこなかったと思うんだよな。というのも、あのビデオで、おれたちはそれぞれキャラを演じてるわけじゃない? それがすごくいいなって思って、おれたちもそのアイデアにノって、さんざんはしゃいだわけだ。最高だろ? おれとしてもすごく気に入ってるんだけど。そもそもさ、おれらのビデオって、これまでかなり真面目臭かったわけじゃん? “エンパイア”だって“クラブフット”だって、ファッキン、どシリアス!みたいな。でもな、おれとしてはいつだって、ビースティ・ボーイズみたいなビデオをやれたらいいよなぁって思ってて」出展:RO69
リアムみたい…。さて、Kasabianは今年6月27~29日に開催されるグラストンベリー・フェスティバルでもヘッドライナーを務めることが発表ずみ。世界最大級のフェスティバルでヘッドライナーを務めるスタジアムバンドに成長している。日本でも人気の高いロックバンドだが日本でメインステージのヘッドライナーになるのはあと一歩と言ったところか。頻繁に来日しているのでありがたみが薄いというのもあるかもしれない。だがライブは毎回しっかりと楽しませてくれる。何度か見ているのでそれは保証できる。
デビュー前の04年のSUMMER SONICで初来日し、SONIC STAGEでは入場規制。05年にはMAINE STGAEでプレイ。07年にはメインステージでヘッドライナーのArctic Monkeysを食うようなパフォーマンスを見せた。08年はフジロック、09年は再びSUMMER SONICに出演し、MOUNTAIN STAGEのヘッドライナーを務める。その際は体調不良だったようだが、よりパワフルで安定したステージを見せてくれた。2012年1月の新木場スタジオコーストも熱量高く素晴らしかった。Queenのカラオケよりは遙かに良いと思う。
Kasabian
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Summer Sonic 2014
[日程] 2014年8月16日(土)/8月17日(日)
[会場] 東京:QVC マリンフィールド&幕張メッセ、大阪:舞洲サマーソニック大阪特設会場
Sonic Mania
[日程] 2013年8月15日(金)
[会場] 幕張メッセ
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