スタートアップやテクノロジーの情報を発信しているメディアTHE BRIDGEにこのような記事が掲載された。音楽とテクノロジーについて関心がある身としても、大変興味深い。皆なんとなく思っていたことだと思う。Lenovoの製品エンジニアになったAshton Kutcherという俳優についての話だ。
技術革新に必要なのは、技術者より芸術家か? | THE BRIDGE
ここ20年以上、国籍や性別、民族的ルーツを尋ねることは差別だとみなされるようになってきたが、ひょっとすると学歴や専門を問うことも同じなのかも知れない。イノベーションに対する貢献のあり方が先へ先へと変化し進んでいくなかで、斬新なアイデアを持っているかもしれない人を遠ざけておく理由がどこにあるだろうか? テクノロジー分野のプロジェクトにアーティストが加わる際問われるべきなのは、彼らのような有名人が専門性においてふさわしいかどうかではない。基礎を一から学ぶための集中力を彼らがそこで発揮できるかどうか、あるいはチームの他のメンバーたちに、畑違いの仲間と仕事を進める能力と、素朴な疑問を軽んじないオープンさが備わっているかどうかだ。
実際、技術的なスキルや専門知識は、画期的なイノベーションに必要なプロジェクトに対する適切なアプローチではないのかもしれない。Singularityの研究開発部門のバイスプレジデントであるVivek Wadhwa が述べているように、「イノベーションの最大の敵は専門家」なのだ。
テック企業における Kutcher のプレゼンスを問題にすることは他のアーティストを意気消沈させ、こうした分野への投資を尻込みさせる。彼らは画期的なイノベーションには必要な人たちだ。畑違いの人と仕事をするには、別の形の新たな考え方、在り方、問題提起が必要である。
イノベーションは外から起きるというのは良く聞く話である。また芸術やアートはテクノロジーやメディアと深く結びついている。イノベーションに必要なのは専門家も芸術家も、だ。お互いを尊重することでイノベーションは生まれると思っている(口の出しやすい分野にあれやりたいこれやりたいと言ってだんだん崩壊していくのとこれは別の話)。
TEDのジャチェック・ウツコは問う「デザインは新聞を救えるか?」にも通ずることろがあるだろう。
ちなみに元記事のタイトルは「Artists can do more than engineers to push innovation in tech」というもので、QUARTZで発信されたものだ。QUARTZはアトランティックが展開している新しいウェブメディア。これがまたよく出来ている。これについては近々記事を更新できると思うが、音楽メディアのデザインにも参考になる点が多い。
方法論としては分かるけど、なんだか曖昧な話だよな。ただ単にいろんなユーザーの立場に立ってみましょうって話な気が。
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