Calvin Harris(カルヴィン・ハリス)が新作アルバムFunk Wav Bounces Vol. 1をリリースした。
今までカルヴィン・ハリスをEDMと嫌悪していた音楽ファンも最高にクールな夏を過ごせる。すでに多くのミュージシャンやジャーナリストたちが反応しているように、サウンドもソングライティングも素晴らしい作品に仕上がっている。プレイヤーとして戻ってきたカルヴィン・ハリスが参照したのはファンク・ディスコ・R&B・ヒップホップ。彼の作り出した2017年のブラックミュージックはどんな場面にもハマる聴きやすさとシンプルさ備え、それでいて陽気すぎない気だるさが心地よい。永遠に聴いていられる。
このアルバムを聴くと「つまり今の音楽はこういうことだろ」と言われているような感覚になる。音楽シーンの地ならしをしてしまったような作品だ。Funk Wav Bounces Vol. 1はDaft PunkのRandom Access Memoriesと同じくらいの衝撃をもって――ただし全く違う役割で――10年代の音楽史に記録される作品になるだろう。
今作についての評はライターの照沼健太さんによる【速報】音楽は再び世界の中心となる。カルヴィン・ハリス新作『ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1』に寄せて、そして日本盤で解説を書かれている宇野維正さんによるカルヴィン・ハリスの2017年の新作は、10年後のシーンの鍵を握るをぜひご覧いただきたい。
新たな扉
6月29日0:00になった瞬間に世界同時に日本でもみんな(俺のTL)「オクジャ」を観て、6月30日0:00になった瞬間にCalvin Harris「Funk Wav Bounces Vol. 1」が世界でいち早く解禁された日本でiTunes1位になる。ようやく扉が開いた気がするよ
— 宇野維正 (@uno_kore) June 29, 2017
過去のものにも大事なものはたくさんあるけど、とにかく今は新しい景色、これまで見たことがない景色を見たいんだ
— 宇野維正 (@uno_kore) June 29, 2017
2016年以降のポップミュージックフォーマットだったTropical House以降のダンスポップが日本で浸透しない内に、Calvin Harrisがまたポップミュージックを更新してしまった。激動過ぎる。
— アゲハスプリングス ひ (@agehasprings) June 30, 2017
そのサウンドは
カルヴィン・ハリスの「Funk Wav Bounces Vol.1」最高。ずっと音楽が好きで良かった。。。ノーナの新作も今作ってるけど、その状況も含め嬉しい。先に発表されてたこの曲もエステルとビー・ジーズとマーヴィン・ゲイ的で最高。https://t.co/wSzIvNmEB6
— 西寺郷太 秋にノーナ新作アルバム! (@Gota_NonaReeves) June 30, 2017
カルヴィン・ハリス新作は、2017年のGファンク。
サウンドプロダクションもソングライティングも素晴らしいし、文句なく良盤。
でも、この底抜けの享楽性は少し不安になる。https://t.co/wbgiORQfGP https://t.co/wbgiORQfGP— MIRU SHINODA (@shinoda_man) June 30, 2017
そう! まさに新しい時代のG Funkなの! LAをクルマで流してて気づいた(そういえばCalvinからの最初のリークもカーステだった)。でも、あの時は黒人(&アメリカの白人の若い子)のものだったけど、今回は全人類のG Funkhttps://t.co/6abXgPDuGI
— 宇野維正 (@uno_kore) June 29, 2017
そう考えると、若手中心に信じられないほど豪華なゲスト陣を招集した「Funk Wav Bounces」の最重要ゲストは、実はSnoopだったんじゃないかって思い当たる。しかもその出だしのリリックは
Open your eyes / Déjà vu / In ways I knew— 宇野維正 (@uno_kore) June 29, 2017
タイム感の統一
「多くの楽器をカルヴィン・ハリス本人が演奏したことによる『タイム感の統一』の影響も大きい」「現代を定義」というこの考察を見て、ジョージ・マイケルの『FAITH』が思い浮かびました。1987年と2017年。 https://t.co/b9iREjowfB
— 西寺郷太 秋にノーナ新作アルバム! (@Gota_NonaReeves) June 30, 2017
1回聴いてこの認識に辿りついたのすごい→「本作と似たレコードを選ぶとしたら、ニルヴァーナ『ネヴァーマインド』かもしれない」。この指摘も重要→「多くの楽器をカルヴィン・ハリス本人が演奏したことによる『タイム感の統一』の影響も大きい」https://t.co/83d7a2AnLf
— 宇野維正 (@uno_kore) June 30, 2017
「ネヴァーマインド」はなるほどと思ったけど、自分がまだ書いてなくて今考えてるのは、英国圏(スコットランドやアイルランドも含む)のバンドが、アメリカの黒人音楽に憧れて、アメリカに渡って作ったレコード、例えばU2「ラトル&ハム」やプライマル「ギヴ・アウト〜」の系譜としての「FWB1」
— 宇野維正 (@uno_kore) June 30, 2017
照沼さんの評。これほんと同意。“DJ/プロデューサーという立場から「時代」をキュレーションしたような「作品」となった本作の意義は、あらゆる視点から見て大きなものだ。” / “【速報】音楽は再び世界の中心となる。カルヴィン・ハリス…” https://t.co/6zJfCnA89r
— 柴 那典 (@shiba710) June 30, 2017
日本でのヒット
ポップさと、今をときめくラッパーたちを集結させての「“Hard To Love”を除いて、他のすべての曲でボーカルパートとラップパートが織り交ぜられたスタイルがとられていること。」が両立している本作が日本でヒットすれば希望しかない。こういうヒップホップミュージックを待ってたぜ!! https://t.co/M2M8j5mrOg
— 知らない男 島﨑ひろき (@simaki0a0p) June 30, 2017
昨夜の0:00解禁過ぎからiTunesではずっと1位だし、アマゾンでは発売早々品切れ(日本盤)になるし、さっき木村拓哉のラジオをクルマで聴いてたらいきなり「Feels」かけるし。今日は本当にCalvin Harris祭でしたね。洋楽の発売日でこういう状況が生まれること自体が快挙
— 宇野維正 (@uno_kore) June 30, 2017
国内盤には解説(宇野維正)、歌詞、対訳(渡辺志保/Kana Muramatsu)がついて税込み¥2,160となっている。Amazonでは高騰しているようなので、お近くのショップでの購入をオススメする。
SMJ (2017-06-30)
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カルヴィン・ハリスは8月19日(土)SUMMER SONIC TOKYO、8月20日(日)SUMMER SONIC OSAKAに出演、ヘッドライナーを務める。今年のフェス出演は現在のところSUMMER SONICのみのはず。非常にレアだ。Kehlani(ケラーニ)のゲスト出演にも期待してしまう。
Calvin Harris
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