ここのところ音楽ストリーミングサービスの話題が続きましたが、中でも注目したいのはAPPLE MUSICでしょう。FKA twigsをフィーチャーしたビデオや元BBCのゼイン・ロウによるラジオは音楽好きとしては気になるところです。日本でも開始される気配があり、月額980円になるといった記事も出てきております。また気になる楽曲数ですが、グローバルでは3,000万曲以上、日本では数百万曲以上で落ち着きそうです。なんだその振れ幅は。まぁなんつうかいろいろといろいろでいろいろなのでしょう。
「Apple Music」の日本での価格が判明 ー 月額980円 | 気になる、記になる…
Apple Music、日本での提供は数百万曲 – 公式サイトに明記 | マイナビニュース
APPLE MUSICのサービス開始は6月30日とされておりますが、日本のサイトでは「まもなく登場」と書かれるにとどまっています。まぁしかし、いろいろと問題は残っているようでして、サービス開始を目前にしていくつか気になる記事がありましたので、ここでご紹介します。
Taylor Swift
TAYLOR SWIFT’S ‘1989’ WON’T BE STREAMING ON APPLE MUSIC | DIY
Taylor Swift’s “1989” Will Not Be On Apple Music | BuzzFeed
昨年、Taylor Swiftがストリーミング配信サービスから得られる収益について難色を示し、Spotifyからカタログを全部引き下げるということが起こってしまいましたが、APPLE MUSICでも最新作の『1989』はやっぱり配信されないようです。この件についてTaylorは自身のtumblrでコメントを発表。下記の話題とつながりますが、3ヶ月のフリートライアルとそのロイヤリティに触れています。彼女はフリートライアル期間はロイヤリティの支払いが行われないことに疑問をもっていますが、Appleへのリスペクトからまだそのポリシーを変えるのには遅くないとしています。『1989』はとても良いアルバムなのでぜひお買い求めください。
I’m sure you are aware that Apple Music will be offering a free 3 month trial to anyone who signs up for the service. I’m not sure you know that Apple Music will not be paying writers, producers, or artists for those three months. I find it to be shocking, disappointing, and completely unlike this historically progressive and generous company.
ベガーズ・グループ
Beggar’s Group publish statement regarding Apple Music negotiations | FACT
UK independent label body “cannot endorse” Apple Music’s royalty-free trial period | FACT
1976年に設立されたイギリスのベガーズ・グループ。XL Recordings、Rough Trade、4AD、Matador Recordsを傘下に収めるインディーズレーベルグループで、かねてから音楽ストリーミングに対して真剣に向き合ってきた彼らもAPPLE MUSICに対しても声明を公開しました。Taylorも触れていますが、ベガーズ・グループもまたAPPLE MUSICの3ヶ月フリートライアルに難色を示し、まだ配信の決定には至っていないようです。交渉は続いているようですが、どうなることやら。声明はBeggars Groupのウェブサイトから全て読むことができます。またAIM(Association of Independent Music)もAPPLE MUSICに対して否定的な見解を述べています。小さなレーベルにとって3ヶ月間ロイヤリティが支払われないのは致命的ですね。
こちらの記事もご参考に。
アーティストとレーベルの関係は改善できるか? 英インディーズのベガーズ・グループ、「ロイヤリティ額分配を再検討する時期がきた」|All Digital Music
Anton Newcombe
Report: Apple threatens to remove bands’ music from iTunes if they don’t agree to new royalty policy | Consequence of Sound
Apple Denies Allegations of Thuggish Treatment of Musicians | RollingStone
Apple denies allegations of threatening artists over Apple Music | FACT
Here’s What Happens to Your $10 After You Pay for a Month of Apple Music | recode
1990年にサンフランシスコで結成されたサイケロックバンドThe Brian Jonestown Massacre。そのフロントマン、Anton Newcombeのツイートが話題になっています。簡潔にまとめますと、ロイヤリティが支払われない3ヶ月のフリートライアルに難色を示したところ、Appleから「同意しないならiTunesで配信しないよ」と言われたという内容です。Appleはその後すぐにRolling Stoneにコメントを発表、そのような事実はない、iTunesでの配信は停止されないと伝えています。どこまで事実なのか分かりませんがお金ありそうだし、払ってあげて欲しいですよね。ちなみにテックメディアre/codeではレーベルなどへの支払いに当てられるのは収益の71.5%であるとレポートしています。これは他の音楽ストリーミングサービスよりも高く、Appleとしてはだからフリートライアル期間は払わないよということなのかもしれませんね。ちなみにAWAはフリートライアル期間もロイヤリティの支払いをしているようですよ。
AWAでは無料(トライアル)期間中も、AWAからレーベル様・アーティスト様に対して再生回数に応じて支払いを行なっておりますので、うしろめたいお気持ちを持つ必要はありませんよ!安心してお使いいただけます。 https://t.co/rcNQGr8bwl
— 小野哲太郎 (@tetsutaro_surf) 2015, 6月 4
えーまぁThe Brian Jonestown Massacreは最高ですので、そこんところよろしくお願いします。
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